転生したら「トヨタ クラウン」だった件
トヨタ・クラウンは1955年の誕生以来、技術革新とデザインで日本の高級車市場を牽引してきた。16代目となる現代のクラウンは、国内販売の減少を受けて再び世界市場への挑戦を始め、注目の的となっている。その進化の歴史とともに、クラウンがどのように新たなステージに挑むのか、今後の展開に期待が高まる。
自己紹介

吾輩はトヨタ・クラウンである。名前はあるといえばあるし、ないといえばない。ある朝、なにか気がかりな夢から眼をさますと、吾輩が寝床の中でクラウンに変わっているのに気づいた。元は人間だったが、気づけば日本を代表する高級車ファミリーの一員として、日本の道路を走っている。今回は吾輩の視点から、クラウンの家系について話をしていこうと思う。
これは新たな車両評論のスタイルである。“マジガチ”のコメントはくれぐれもお控えください。
※ ※ ※
吾輩は、クラウンの家系図によると16代目にあたる。人間でいえば、京都にある室町時代からつづく蕎麦屋の現在の当主が16代目であるように、自動車族のなかではなかなかの古さだ。
初代クラウンは、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)による統治が終えた3年後、1960年代からはじまる高度経済成長に向けてこれからという1955(昭和30)年に純国産の高級車として誕生した。
常に先進的な技術が採り入れられ、また圧倒的な存在感とデザイン、そして秀逸なキャッチコピーにより、トヨタのトップブランドとして君臨してきた。まさに、初代から戴冠してきたエンブレムがその象徴といっていい。