日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
日産自動車は、2025年3月期第3四半期決算で800億円の純損失予測を発表する一方、事業再生に向けたターンアラウンド戦略の進展も示した。特に、2026年度までに4000億円のコスト削減を目指し、生産能力の削減や選択と集中を進める方針だ。これにより、日産は「シン・技術の日産」の実現に向けた新たな道筋を模索している。
「技術の日産」の行方

2025年2月13日、日産自動車は2025年3月期第3四半期決算を発表した。通期の純損失が800億円に達する見込みを示した一方で、スリムで強靭な事業構造を実現するためのターンアラウンド(事業再生)の進捗も報告された。
その核心は、2026年度までに固定費(3000億円以上)と変動費(1000億円以上)の合計4000億円の削減を行い、自動車事業の損益分岐点となる台数を310万台から250万台へ引き下げ、営業利益率4%の安定的な確保を目指すというものである。
かつて「技術の日産」と称され、独自の先進技術で世界市場をリードしてきた日産。ホンダとの経営統合が白紙となった現在、その名にふさわしい未来を描き続けることができるのだろうか。
本稿では、日産のターンアラウンド戦略を深掘りするとともに、今後の日産が目指すべき方向性としての「シン・技術の日産」について考察する。