トヨタ新型プリウスPHV、驚異の「リッター200km」実現? 搭載「ジオフェンシング技術」とは? 日本でも使える?

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トヨタは2025年モデルのプリウスPHVにジオフェンシング技術を搭載し、燃費向上とEV走行距離の延長を実現した。新技術により、都市部での走行時には110kmもの電動走行が可能となり、燃料消費を0.5L/100kmに抑える。高低差が多い日本の道路にも適応できる可能性があり、今後の展開に注目が集まる。

他のHVへの展開も期待か

トヨタ自動車の本社(画像:AFP=時事)
トヨタ自動車の本社(画像:AFP=時事)

 ジオフェンシング技術の大きな利点は、車両の主要部品を変更せず、主にソフトウェアの切り替えによって効率化を図れる点にある。

 この技術のシステムは、

・カーナビゲーションシステム
・外部との通信機能
・ハイブリッドシステムのコントロール

を連動させることで成り立っている。欧州仕様では、LEZ内でのEV走行を最適化することが主な目的とされているが、日本国内では現時点でLEZ自体が導入されていない。

 LEZの導入によって都市部の環境改善が期待できるものの、日本国内で実施するには、制度設計や周知のハードルが高い。しかし、ジオフェンシング技術の仕組みを生かせば、高低差の多い日本の道路事情に適した活用方法も考えられる。

 従来のHVは、主にバッテリーの残量に応じて回生発電を制御していた。しかし、道路の高低差や渋滞状況を事前にシステムが把握できれば、ルートや状況に応じて発電量を調整し、燃費の向上につなげることが可能になる。さらに、LEZがなくとも都市部や住宅地ではEV走行の頻度を高める制御を行うことで、結果的に環境負荷の軽減にも貢献できるだろう。

 車両そのものに大幅な改良を加えることなく効率化を実現できるのであれば、この技術の実績が積み上がるほど、より広範囲での展開が期待される。トヨタには、ぜひこの技術をさらに発展させ、多くの市場で活用できるよう取り組んでもらいたい。

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