トヨタ新型プリウスPHV、驚異の「リッター200km」実現? 搭載「ジオフェンシング技術」とは? 日本でも使える?
トヨタは2025年モデルのプリウスPHVにジオフェンシング技術を搭載し、燃費向上とEV走行距離の延長を実現した。新技術により、都市部での走行時には110kmもの電動走行が可能となり、燃料消費を0.5L/100kmに抑える。高低差が多い日本の道路にも適応できる可能性があり、今後の展開に注目が集まる。
低燃費のカギはジオフェンシング技術

ジオフェンシング技術とは、道路や交通状況を車両のシステムが判断し、欧州の低排出ゾーン(LEZ:Low Emission Zone)内でEV走行を最大化するよう制御するシステムだ。欧州では都市部を中心に、環境負荷の高い車両の走行を制限するLEZが導入されている。LEZ内ではEVやHVの利用を優先することで、大気汚染の緩和など都市環境の改善が進められている。
ジオフェンシングはもともとスマートフォンなどのモバイル機器向けに開発された技術で、GPSなどの位置情報をもとに特定の仮想エリアを設定し、各種サービスに活用するものだ。
トヨタはこの技術を車両に応用し、カーナビゲーションと現実の道路状況を連動させることで、走行環境に応じたリアルタイム制御を可能にした。2021年ごろから研究を進め、今回プリウスPHVに標準搭載することで、実用レベルのシステムとして完成させた。
プリウスPHVでは、LEZ内でのEV走行を優先させるため、エリア外ではハイブリッド走行を基本としつつ、走行中の回生発電機能を最大限に活用する。この最適化を実現するのが、トヨタのジオフェンシング技術だ。
システムはLEZ外の道路で発電効率を最大化するよう制御し、回生ブレーキの強度を自動調整するほか、ハイブリッドモードとEVモードを自動切り替え。例えば
・この先は坂道が続くため、下り坂で回生発電を行う
・郊外ではエンジン走行を増やし、都市部ではEV走行を優先する
といった判断を、ドライバーが意識せずとも自動で最適化する。これにより、余計な操作が不要となるのも利点のひとつだ。
さらに、ドライバーが頻繁に使用するルートを学習する機能も搭載。普段通りに運転するだけで、車両の制御が徐々に最適化されていく。