トヨタ、水素で欧州攻略なるか? 中小企業と挑む「脱炭素」戦略! 燃料電池車から水素エンジン車、そしてインフラ構築へ

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トヨタが欧州でモビリティ変革を加速させる。中小企業との連携を強化し、BEVや水素技術を軸にサステナブルな社会の実現を目指す。2023年に発表した「トヨタオープンラボ」は、オープンイノベーションの拠点として始動。さらに、仏HRSやENGIEと提携し、水素燃料補給インフラの拡充を推進。BEV市場での競争が激化するなか、トヨタは次世代電池開発も加速。欧州5億人市場での戦略が注目される。

モビリティの持続可能性と多様性を推進

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

 トヨタは中小企業と協力し、サステナブルなモビリティを加速するための取り組みを始めた。まだ初期段階であり、全貌は明らかになっていないが、どのような施策が進められているのかを探ってみよう。

 2023年2月4日、トヨタは「トヨタオープンラボ」という新たなプラットフォームを発表した。このプラットフォームでは、中小企業と協力し、モビリティの変革とサステナブルな未来の創造を目指すプログラムが始まる。応募締切は3月14日だ。

 同ラボは、トヨタのエコシステム全体とスタートアップが協力することで、モビリティのイノベーションを加速し、概念実証やビジネスチャンスの創出を目的としたオープンイノベーション・プラットフォームだ。欧州トヨタのモニカ・ペレス・ロボ氏は、

「トヨタオープンラボのプラットフォームに参画する中小企業との強力なパートナーシップにより、革新的な機能を最大限に活用して、持続可能な未来に向けたモビリティ変革を加速させることを目指しています」

と述べている。今回のプログラムで重点が置かれるのは、六つの戦略分野だ。

 まず、バッテリー式電気自動車(BEV)エネルギーエコシステムでは、エネルギー管理やスマート充電、車両からグリッドへのエネルギー転送、グリッドバランシングなど、サステナブルなエネルギー移行を促進する技術やシステムに取り組む。また、水素と水素エコシステムでは、水素経済の発展を支援するためのソリューションが求められている。さらに、炭素回収と削減分野では、炭素排出量を削減するためのテクノロジーが注目されている。

 循環経済では、車両やパーツの回収、リサイクル、再利用のシステムが焦点となる。スマートコミュニティの分野では、車両シェアリングやサブスクリプション、モビリティハブを支援するソリューションが求められ、最後に「すべての人のためのモビリティ」では、高齢化社会のニーズに応えるため、誰もが利用できるモビリティのソリューションが期待されている。

 トヨタはこれらの分野で中小企業と連携し、持続可能な社会の実現に向けた重要な役割を果たすべく動き出している。

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