「どこかにビューーン!」「どこかにマイル」なぜ人気? JR東日本・JALのランダム旅行サービス、空席を埋める企業側の狙いとは?

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JALとJR東日本の「どこかにマイル」や「どこかにビューーン!」は、利用者にランダムな目的地を提供する新しい旅行サービスだ。2022年度の「どこかにマイル」利用者数は63万人を超え、2024年には「どこかにビューーン!」が10万人を突破。両サービスは、空席を有効活用し、顧客にお得感を提供する一方で、キャンセル時の不満も。特典旅行の魅力と裏に潜む課題を探る。

ランダム旅行サービスの成功

「どこかにビューーン!」(画像:JR東日本)
「どこかにビューーン!」(画像:JR東日本)

 JALとJR東日本が提供する「どこかにマイル」と「どこかにビューーン!」という行き先ランダムな旅行サービスはご存じだろうか。

 これらのサービスは、貯めたマイルやポイントを使って、特典チケットをより少ない点数で手に入れられる。ただし、行き先は顧客任せで、申し込み後数日以内に目的地が決まるという、いってみれば

「ミステリーツアー」

のようなものだ。JALは2016年、JR東日本は2022年に、野村総合研究所(NRI)およびNRIデジタルと共同で開発したサービスである。「どこかにマイル」の2022年度の利用者数は累計54万人、2023年度は累計63万人であり、2025年度の目標は累計81万人となっている。「どこかにビューーン!」は、2024年に利用者数が10万人を突破した(2024年9月30日付『交通新聞』)。

 これらの取り組みは、海外でも高く評価されており、どちらのサービスも2024年10月6日にアジアと欧州の間にあるアルメニアのエレバンで開催された「WITSA GLOBAL INNOVATION & TECH EXCELLENCE AWARDS 2024」で、

「都市部から地方へのランダム送客による関係人口創出」

が評価され「持続可能な成長・循環経済」部門賞を受賞した。このWITSA(世界イノベーション・テクノロジーサービス連盟)は、1978年に設立された国際組織で、世界的に優れたICTユーザー・システムを選定し表彰している。

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