「どこかにビューーン!」「どこかにマイル」なぜ人気? JR東日本・JALのランダム旅行サービス、空席を埋める企業側の狙いとは?

キーワード :
, , , ,
JALとJR東日本の「どこかにマイル」や「どこかにビューーン!」は、利用者にランダムな目的地を提供する新しい旅行サービスだ。2022年度の「どこかにマイル」利用者数は63万人を超え、2024年には「どこかにビューーン!」が10万人を突破。両サービスは、空席を有効活用し、顧客にお得感を提供する一方で、キャンセル時の不満も。特典旅行の魅力と裏に潜む課題を探る。

「どこかにマイル」体験、希望外の岡山行き

岡山駅(画像:写真AC)
岡山駅(画像:写真AC)

 筆者(古宮宗、フリーライター)は先日、「どこかにマイル」を利用してみた。日程や時間帯を調整し、魅力的な目的地が四つ並ぶまで何度も検索を繰り返したが、すべてが思い通りになることはなかった。最終的に三つの候補地が並んだところで申し込みを決めた。その候補地は、九州がふたつ、四国がひとつ、残りが本州の岡山だった。岡山はすでに訪れたことがあり、他の三つの目的地に当たることを祈りながら結果を待った。

 しかし、結果は岡山だった。唯一希望しなかった目的地が選ばれたため、落胆し数日間気落ちしたのは事実だ。四国や九州の空港であれば、より遠く、よりお得だったこともあり、ハズレを引いた気分になったのも理解できる。

 正直なところ、この経験はしばらくJALに対するイメージダウンにつながった。それでも、このサービスが必ずしも企業にとって有益であるとはいえないかもしれない。筆者がこのサービスに不向きな性格だったということもあるが、それでも少し疑問を感じる部分はあった。それでも、東京・岡山間は通常片道7000マイルのところ、往復で14000マイル分が7000マイルで利用できた点は、結果的にお得だったといえる。

 岡山では、おいしい料理を楽しんだり、珍しい観光地を訪れたり、魅力的な温泉に浸かることができたので、結果として行ってよかったと感じている。岡山にとってもよい経験だったといっておきたい。また、予約が決まった後のドキドキ感は、エンターテインメント的な楽しみもあったと感じている。

 一方で、確定した予定をキャンセルした場合、

「マイルが無効になる点」

には少し不満が残る。キャンセル手数料として、使ったマイルが没収されてしまうのは少々厳しいと感じた。「どこかにビューーン!」でも同様のことがいえる。気に入らない候補地が選ばれた場合にキャンセルされるのは避けたいが、もう少し利用者に寄り添った商品開発が期待されるところだ。

全てのコメントを見る