「50万円必要です」 中古車業界にはびこる闇? 事故車や“起こし屋”の手口… 元ディーラーが語る「保証の落とし穴」とは

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中古車市場には、見えないリスクが潜んでいる。過去の事故歴や修復歴を隠した「新古車」の存在、悪質業者の手法など、消費者は十分な注意を払う必要がある。特に、新生活のスタートに向けて中古車を購入する人が増えるこの時期、リスクを避けるための賢い選び方を解説する。

中古車市場の落とし穴に要注意

事故車(画像:写真AC)
事故車(画像:写真AC)

 最後に、筆者の親戚と中古車販売店の間で発生したトラブルを紹介する。

 親戚は「新古車」と言われて購入した軽自動車に乗っていた。しかし、新古車という名称はあくまでも販売側の呼称であり、高年式の中古車を指すものに過ぎなかった。ユーザーとしては「状態の良い新しい中古車」という認識を持ちがちだが、実際にはそうではなかった。

 車を乗り換える際、その車を査定に出したところ、「事故車」であることが判明した。親戚から助けを求められ、車を確認したところ、後ろ周りに事故と修復の跡がしっかりと残っていた。しかも、修理がきちんと行われておらず、前述の悪質な業者が修理した中古車だったことが分かった。

 親戚は購入時に事故車の話を聞いておらず、販売店に事情を問いただそうとしたが、その店は倒産しており、連絡を取ることもできず、結局泣き寝入りすることとなった。もし市場価格が安い新しい年式の車が出ている場合、それが大きな事故車である可能性を疑った方がよいだろう。

 また、2月末から3月にかけては、新生活を始めるために中古車を購入する人が多い時期だ。このような中古車市場の裏に潜む問題に巻き込まれないよう、十分な注意が必要だ。

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