「50万円必要です」 中古車業界にはびこる闇? 事故車や“起こし屋”の手口… 元ディーラーが語る「保証の落とし穴」とは
中古車市場には、見えないリスクが潜んでいる。過去の事故歴や修復歴を隠した「新古車」の存在、悪質業者の手法など、消費者は十分な注意を払う必要がある。特に、新生活のスタートに向けて中古車を購入する人が増えるこの時期、リスクを避けるための賢い選び方を解説する。
検査員の見逃しを悪用する業者

中古車業者は商品として中古車を仕入れる際、店頭での直接買取に加え、業者間で行われるオートオークションを利用する。近年、インフラ整備が進み、事務所からオークションに参加できるようになったため、現地で車を確認しながら入札するケースは減少している。
オークションに参加する際、業者は出品票に記載された情報と写真を基に判断することになる。しかし、悪質な業者は、出品票に虚偽の情報を記載することがある。最悪の場合、故障や修復歴などのマイナス要素を隠して車を出品することもある。
出品車の状態は会場の検査員がチェックするが、それをクリアすれば問題ないという抜け道を利用する業者も存在する。2024年末、ある自動車系YouTuberが追突事故を受けた車を売却後、修復歴なしとして販売されていたことを告発したが、これも虚偽記載の可能性が指摘されている。
オークション会場の検査員も人間であるため、修復歴を見逃すことがあるが、それを悪用する業者が減らない現状は問題だ。