事故車は宝の山? 買取ビジネス「1000億円」市場、バブル到来か成長の限界か? 命運を左右する4つのリスクとは

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事故車買取ビジネスは、国内市場1000億円規模に成長し、再販だけでなく資源循環の中心として進化中。高齢化や海外市場の拡大が追い風となる一方、技術革新や法規制強化は新たな挑戦に。未来を切り開くのは事故車の価値再定義と柔軟な対応だ。

修理と再販、二つの流通ルート

事故車(画像:写真AC)
事故車(画像:写真AC)

 近年、事故車買取ビジネスが注目を集めている。かつては修理費用がかさみ、「価値がない」とみなされがちだった事故車も、専門業者の登場により買取市場が形成され、国内外で再活用される流れが定着しつつある。タウ(埼玉県さいたま市)の推計によると、市場規模は1000億円規模に達している。しかし、このビジネスが今後も成長を続けるのか、技術革新や市場環境の変化によって頭打ちとなるのかは、見極めが難しい。

 事故車買取市場は、主にふたつの流通ルートに依存している。ひとつは、比較的軽度な損傷車両を修理して再販する国内修理・再販ルートで、主な買い手は低価格重視の個人や企業だ。もうひとつは、重度の損傷車両を解体して部品を販売する部品取り・海外輸出ルートである。国内では価値が低い車両でも、修理を前提として海外市場に流通するケースが多い。

 事故車買取ビジネスの未来を予測するには、事故発生件数や車両数などの供給面、また、中古部品や再生車両の需要や市場環境(法規制、技術革新、消費者動向)を多角的に分析する必要がある。これらの要素を元に、事業者にとっての機会とリスクを検証し、将来の市場動向を見通すことが求められる。

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