事故車は宝の山? 買取ビジネス「1000億円」市場、バブル到来か成長の限界か? 命運を左右する4つのリスクとは
事故車買取ビジネスは、国内市場1000億円規模に成長し、再販だけでなく資源循環の中心として進化中。高齢化や海外市場の拡大が追い風となる一方、技術革新や法規制強化は新たな挑戦に。未来を切り開くのは事故車の価値再定義と柔軟な対応だ。
事故車市場を支える四つの要因

事故車買取ビジネスの成長を支える要因は複数存在する。まず、
・事故発生件数
・高齢化社会
が重要な要因だ。日本国内での交通事故発生件数は減少傾向にあるが、依然として年間30万件以上が発生している。特に高齢ドライバーによる低速事故や駐車場での接触事故など、比較的軽微な事故が増加している。これらの事故車は修理可能であり、市場への供給を続ける一因となっている。
次に、中古部品の需要の高まりが挙げられる。部品価格の上昇と経済的負担を軽減したいという消費者のニーズにより、中古部品の需要は増加している。特に物流業界ではコスト削減の一環として中古部品の利用が進んでおり、商用車や営業車両の修理に事故車の部品が使われるケースが目立っている。
さらに、環境意識の高まりも影響している。カーボンニュートラルの推進と循環型社会の実現に向けた取り組みが進んでおり、事故車から再利用される部品は環境負荷の低減に貢献する。政府や自治体のリサイクル推進政策が、リユース市場の活性化を後押しする可能性もある。
最後に、海外市場の成長が大きな追い風となる。日本車はその耐久性の高さから、海外市場でも需要が根強い。特にアフリカ、中東、東南アジアでは「修理して使う文化」が浸透しており、事故車は現地で修復され、安価な移動手段として再活用されている。これらの地域の経済成長とモータリゼーションの進展は、事故車買取ビジネスにとって大きな後押しとなるだろう。