「ごめん、先に○○行ってるね」 消えた駅の伝言板! 昭和の恋はなぜスリリングだったのか?

キーワード :
, ,
かつて駅の改札付近に存在した伝言板。携帯電話の普及とともに姿を消したこの「待ち合わせの場」は、移動する人々の絆とドラマを映し出していた。現在、デジタル化が進むなかで、失われたものとは何か、駅の伝言板が描いた恋愛の風景とその変化を探る。

鉄道駅の商業化

現在の東京(画像:写真AC)
現在の東京(画像:写真AC)

 駅の伝言板が姿を消した理由のひとつは、通信手段の発達にある。携帯電話の普及により、待ち合わせの調整はリアルタイムで可能になった。メッセージを残しておく必要がなくなり、伝言板は自然と消えていった。

 もうひとつの理由は、移動そのものの変化だ。伝言板が機能していた時代、公共交通が移動の中心だった。しかし、現在はさまざまな交通の普及により、人々はより柔軟に移動できるようになった。移動の自由度が増したことで、「駅で落ち合う」という習慣が次第に薄れていった。

 さらに、都市の変化も影響している。鉄道駅の商業施設化が進み、伝言板のあったスペースは広告やデジタルサイネージに取って代わられた。かつてメッセージが書き込まれていた場所にはテナントが並び、今や人々はスマートフォンの画面を見ながら連絡を取り合っている。

全てのコメントを見る