「ごめん、先に○○行ってるね」 消えた駅の伝言板! 昭和の恋はなぜスリリングだったのか?

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かつて駅の改札付近に存在した伝言板。携帯電話の普及とともに姿を消したこの「待ち合わせの場」は、移動する人々の絆とドラマを映し出していた。現在、デジタル化が進むなかで、失われたものとは何か、駅の伝言板が描いた恋愛の風景とその変化を探る。

伝言板消滅が示す移動の未来

伝言板(画像:写真AC)
伝言板(画像:写真AC)

 かつて、多くの駅の改札付近には伝言板が設置されていた。黒板やホワイトボードにチョークやマーカーで書かれた短いメッセージが並び、待ち合わせの変更や急な予定の伝達、時にはプロポーズの言葉まで、そこにはさまざまな人生の断片が刻まれていた。

 しかし、携帯電話の普及により連絡手段が多様化した今、伝言板はほとんど姿を消した。それでも、かつては移動とともに生きる人々にとって欠かせないインフラだった。

 駅の伝言板の役割は、単なる情報伝達にとどまらない。そこは人と人とを結びつける場であり、すれ違いを象徴する場所でもあった。特に恋愛においては、多くのドラマを生んできた。恋人たちはそこで約束を交わし、誤解を解き、あるいはすれ違いの末に別れを告げた。

 なぜ、あの時代の恋愛には伝言板が不可欠だったのか。なぜ、そこには特有の感情が宿っていたのか。現代の移動のあり方と比較しながら、駅の伝言板が刻んできた恋愛の風景を振り返る。

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