ホンダ・日産「統合破談」実現したらどうなるのか? 次なるパートナーは? 生き残りをかけた提携合戦は起こるのか

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ホンダと日産の経営統合協議が破談の危機を迎えている。ホンダが日産の子会社化を提案したものの、日産は強く反発。交渉決裂となれば、両社はそれぞれ独自の道を歩むことになる。しかし、単独での競争力維持は難しく、他企業との連携が不可欠となる。自動車業界全体に与える影響とともに、ホンダと日産が描くべき成長戦略を探る。

グローバル競争力低下の懸念

2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)
2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)

 日産にとって、統合破談は苦境からの自力脱出を余儀なくされる重要な局面となる。特に、ホンダが提案していた経営立て直しを前提とした統合が崩れれば、日産は独自に大規模なリストラを進めなければならない。

 ルノーとの資本関係は2023年11月に見直しが完了したが、今後再び協力関係を強化する道も考えられる。また、ホンダ以外の国内メーカーや欧米メーカーとの新たな提携を模索する可能性もある。日産は「アリア」や「サクラ」など、EVへの注力を続けてきたが、さらにその戦略を加速させるため、資本提携を求める可能性が高い。

 破談に終われば、両社のみならず、日本の自動車業界全体にも大きな波紋を広げることになる。現在、日本の自動車メーカーはトヨタを除き、単独での生き残りが厳しくなっており、スズキやマツダ、スバルもトヨタグループとの協力関係を強化している。この流れに沿って、ホンダと日産が統合を模索したのも一因だ。もし統合が完全に破談となれば、国内メーカー同士の新たな連携が生まれる可能性がある。

 統合協議が頓挫すれば、日本メーカーのグローバル市場における競争力にも影響を与える。ホンダと日産が統合することで、EV開発の加速やコスト削減が期待されていたが、統合が白紙になれば、スケールメリットを活かした効率化が困難になり、特に中国や欧米勢に対する競争力が低下する恐れがある。

 また、統合による研究開発投資の強化も期待されていたが、単独路線を続ける場合、ソフトウェア開発や自動運転技術への投資規模が制限され、テスラなどに対抗するのは難しくなる。さらに、ホンダと日産が共闘することで、中国市場での影響力強化が見込まれていたが、統合が消えることで、両社はそれぞれ独自に市場戦略を再構築しなければならなくなる。

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