サービスエリアの「飲食店」は今後消滅する? 長距離ドライバー激減で生き残る道はあるのか? 変わる高速道路の風景を考える

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自動運転トラックの普及が、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)の姿を一変させるかもしれない。長距離ドライバーの減少により、SA・PAの飲食店は収益基盤を失い、深夜営業の撤退が進む可能性がある。一方で、新たな物流拠点化や観光地化といった変革の道も開ける。

未自動運転時代のSA・PA

サービスエリア(画像:写真AC)
サービスエリア(画像:写真AC)

 近い将来、自動運転技術が物流業界に浸透すれば、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)の風景が大きく変わるかもしれない――。特に、長距離トラックドライバー向けに展開されてきた飲食サービスは、その役割を再定義することになるだろう。本稿では、自動運転トラックが普及した場合のSA・PAの変化を予測し、物流業界と飲食産業の未来を考察する。

 まず、高速道路のSA・PAに飲食店が存在する理由を整理しておきたい。長距離ドライバーは、走行中に一定の休憩を取ることが義務付けられており、その間に食事を済ませる必要がある。加えて、一般のドライバーや観光客にとっても、SA・PAの飲食店は旅の楽しみのひとつとなっている。こうした飲食店の主なターゲットは、

・長距離ドライバー
・ビジネス利用者(営業職など)
・観光・レジャー目的の一般客

の三層に分けられる。このうち、長距離ドライバーは、従来からSA・PAの売上の大きな部分を支えてきた。特に夜間営業する店舗は、彼らの需要に大きく依存している。

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