サービスエリアの「飲食店」は今後消滅する? 長距離ドライバー激減で生き残る道はあるのか? 変わる高速道路の風景を考える
自動運転トラックの普及が、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)の姿を一変させるかもしれない。長距離ドライバーの減少により、SA・PAの飲食店は収益基盤を失い、深夜営業の撤退が進む可能性がある。一方で、新たな物流拠点化や観光地化といった変革の道も開ける。
観光客とビジネス利用者はSA・PAを支えられるか?

一方で、一般ドライバーや観光客の存在を考慮すれば、SA・PAの飲食店がすべて消えるとは限らない。しかし、現在の収益構造を維持できるかは別問題だ。
観光客向けの飲食店は、高速道路上の流動人口によって成り立っているが、トラック輸送が無人化されることで、夜間や早朝の利用者が大きく減る可能性がある。観光客は通常、日中の移動が中心であり、24時間営業の店舗が維持できるほどの客足を確保するのは難しくなる。
また、ビジネス利用者はどうか。営業職や長距離移動を伴う出張者は一定数存在するものの、オンライン会議の普及によって、そもそも物理的な移動の必要性が減っている。さらに、企業の経費削減が進む中、高速道路の飲食店で食事をするビジネス層が増えるとは考えにくい。
このように、観光・ビジネス利用者だけでは、SA・PAの従来の飲食店ビジネスを維持するのは困難かもしれない。