コロナ禍で人気の「ネットスーパー」 求められるのはスムーズな物流システムの構築だ

キーワード :
, ,
コロナ禍で注目されたネットスーパー。今後は顧客発掘だけではなく、物流体制を充実していく必要がある。

各社の競争が本格化

 一方、セブン&アイも2021年7月にネットスーパーの大型施設を横浜に開設することを発表した。2023年春からの運用開始を予定しており、イトーヨーカドーネットスーパーの拠点として、既存のイトーヨーカドーの配送業務やセンターから30km圏内の配送を担う。

 セブン&アイは配送業務の集約に注力している形だが、これはグループが掲げる「ラストワンマイル施設」の一環だ。ネットスーパーでは生鮮食品を扱うため、スピーディーな配送が必須だ。注文から消費者まで届けるまでの過程をAI技術を駆使し、配送を最適化するとしている。

 コロナ禍により思いがけずネットスーパーの存在感が増してきたが、まだ足を運んで目で見て商品を選ぶスタイルが主流だ。各社とも先行投資をしている段階であり、群雄割拠といった具合だ。

 物流センターが立派で最新技術が詰め込まれたものであっても、結局は「人が品を運ぶ」ことに変わりはない。肝心の運送会社の人手不足は解消されておらず、本当に届けてほしい時間帯に届くのかという不安もよぎる。

 日本のネットスーパーの歴史は20年以上経過したが、各社の競争が本格化した現在が本当の歴史のスタートといえ、その動向を注視したい。

全てのコメントを見る