失われた栄光を取り戻すために――過去の成功から学ぶべきこと【連載】Make Japanese Cars Great Again(1)

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世界で累計5000万台以上が生産されたトヨタ・カローラをはじめ、ホンダ・シビックや日産・スカイラインなど、日本車は革新的な技術と品質で市場を席巻してきた。しかし、EV時代の波が押し寄せるなか、日本車の競争力には課題も浮かび上がる。中国や米国の新興勢力がEV市場をリードする今、日本の自動車産業は技術力と挑戦心で新たな競争戦略を構築できるのか。未来のモビリティ市場を見据え、再び世界を驚かせる時が来た。

技術革新・コストパフォーマンス・品質に強み

初代スカイライン(画像:日産自動車)
初代スカイライン(画像:日産自動車)

 日本車の強みは、技術革新、コストパフォーマンス、そして品質だろう。名車の歴史を振り返ると、常に知恵と工夫を凝らし、技術を進化させながらユーザー目線の車づくりを続けてきたことがよくわかる。たとえば、ホンダのエンジンはその代表例だ。初代シビックに搭載されたCVCCエンジンは、大気汚染物質を厳しく規制する米国のマスキー法をクリアし、注目を浴びた。

 トヨタでは、1983(昭和58)年に登場した5代目カローラでFF化に本格的に取り組んだ。当時、初代シビックはすでにFFを採用しており、その遅れを全社を挙げて挽回しようとしていた。さらに、スカイラインは戦前の航空機製造技術者たちが生み出した省燃費・低公害のスポーツカーだ。スカイラインの生みの親とされる櫻井眞一郎氏は、

「好きな人が手放せないクルマ、古くなっても価値の落ちないクルマにしたかった」

という思いを込め、その理想は現実のものとなった。

また、ガソリン車が技術革新を重ねた結果、日本のお家芸ともいえるハイブリッド車(HV)が誕生した。HVは、ガソリン車以上でありながらEV未満という独特なポジションだが、その環境性能が評価され、世界中で活躍している。

 コストパフォーマンスの面では、自動車の設計や部品調達はもちろん、トヨタの「かんばん方式」に代表される生産手法の進化が挙げられる。1973年の変動相場制移行や1985年のプラザ合意以降、日本の輸出産業は円高との戦いを強いられてきた。トヨタはジャスト・イン・タイム生産や自動化を追求し、効率を高めてきた。他にも、マツダがひとつの生産ラインで複数車種を製造する多品種混流生産を実現したのも、知恵と工夫の成果だ。

 品質の高さも日本車の大きな強みだ。「信頼性が高く、長持ちする」という評価は海外でも定評がある。例えば、米国の自動車比較ポータルサイトの調査では、1981年から2005年までに販売された車種の所有期間ランキングで、トヨタ・プリウスを筆頭にトップ10を日本車が独占していた。この高品質は、部品の精度向上や細部へのこだわり、高度な生産管理によって支えられている。そして、それを可能にしているのは、自動車メーカーと部品メーカーの緊密な連携に他ならない。

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