失われた栄光を取り戻すために――過去の成功から学ぶべきこと【連載】Make Japanese Cars Great Again(1)
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EV分野で日本車が遅れをとっている根本原因とは

EVへのパラダイムシフト(物事の考え方や価値観が大きく変化すること)が進むなかで、「日本車の輝きが薄れている」と感じる人は少なくないだろう。2023年の世界自動車販売ランキングでは、トヨタが1位に輝き、ホンダ、日産、スズキもトップ10入りしている。しかし、EVメーカーのランキングでは日本の自動車メーカーは全く姿を見せていない。日本車がEV分野で遅れをとっているのは事実だ。では、その理由は何だろうか。
2023年のEV世界販売ランキングを見ると、1位はBYD、2位はテスラ。以下、BMW、GAC Aion、VW、SGMW、Li Auto、Mercedes、Changan、Geelyと続く。注目すべきは、テスラのようなEV専業メーカーの台頭だ。これらの新しいメーカーは、従来の自動車産業のしがらみがないため、EV生産に特化した環境を自由に整えることができる。
また、ランキング上位10社のうち6社が中国勢だ。価格競争になると、現状の技術では日本車に勝ち目は薄い。さらに、日本の自動車メーカーは既存の生産設備や部品メーカーを抱えたままで戦わなければならず、全方位戦略を取らざるを得ない。この点で、スタートからEVに特化したメーカーとの差が生まれたのだろう。
もうひとつ考えられるのは、チャレンジ精神の欠如だ。新興のEVメーカーは、「いつか世界を制覇する」という熱意で挑戦を続けている。かつて日本の自動車メーカーもそうだった。しかし、現在の日本の自動車メーカーは、産業や企業として成熟した結果、組織が硬直し、ことなかれ主義や守りの姿勢に陥っているように見える。これでは無難な車は作れても、アグレッシブで魅力的な車を生み出すことは難しい。特に、EV分野では守りの姿勢が命取りになりかねない。
例えばホンダは、EVの本格普及期となる2030年度までの10年間で約10兆円を投資すると発表した。このように、挑戦者としての姿勢を示すことが、今の日本の自動車メーカーに求められているのではないだろうか。