失われた栄光を取り戻すために――過去の成功から学ぶべきこと【連載】Make Japanese Cars Great Again(1)

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世界で累計5000万台以上が生産されたトヨタ・カローラをはじめ、ホンダ・シビックや日産・スカイラインなど、日本車は革新的な技術と品質で市場を席巻してきた。しかし、EV時代の波が押し寄せるなか、日本車の競争力には課題も浮かび上がる。中国や米国の新興勢力がEV市場をリードする今、日本の自動車産業は技術力と挑戦心で新たな競争戦略を構築できるのか。未来のモビリティ市場を見据え、再び世界を驚かせる時が来た。

CASE革命の勝負はこれから

中国市場のイメージ(画像:Pexels)
中国市場のイメージ(画像:Pexels)

 日本自動車工業会の資料によると、2023年の日本の自動車メーカーによる四輪車の輸出台数は約397.8万台、海外生産台数は1751.2万台で、合計2149.0万台に達した。つまり、日本車が売れていないわけではない。

 一方で、EV・プラグインハイブリッド車(PHV)の世界販売台数は約1400万台にのぼり、この数字だけ見ると、日本車がEVに押されているようにも見える。ただ、この数字は複数メーカーの合計であり、PHVを含むうえに、その約60%が中国市場に偏っている。現時点では、EVが全世界で普遍的に売れているとはいい難い。また、2024年の見通しでは、世界のEV販売は足踏み状態にある。

 EVはまだ製品ライフサイクルの導入期にあり、高価格が影響して市場が早くも飽和状態にあるという見方もある。本当の勝負は、現在HVを選んでいる層がEVを購入するようになる成長期だろう。

 日本メーカーはEVでスタートダッシュに出遅れたものの、日本車全体の信頼が揺らいでいるわけではない。知恵と工夫で世界を驚かせてきた日本の技術力にはまだ強みがある。CASE革命の本格的な勝負はこれからだ。この戦いは自動車メーカーやIT企業だけのものではなく、国や地域同士の競争でもある。世界市場という大舞台で戦い抜くためには、現在の立ち位置を冷静に俯瞰し、チャレンジ精神を持って挑むことが重要だ。

 次回は世界市場で戦うための新しい戦略、競争力の再構築について考えていこう。

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