広島駅「駅ビル2階」に路面電車が突っ込む!半世紀ぶりの大改造、広電「駅前大橋線」開通でどう変わる?
広島駅が半世紀ぶりに大刷新。新駅ビルが誕生し、駅ビル2階に広電の停留所が設置されることで、中心市街地への移動時間が大幅短縮。駅前大橋線の開通により、従来の経路より約4分短縮され、交通の利便性と安全性が向上する。
駅前大橋線は「広電イチの急勾配」

さて、気になるのは
「既存の車両が駅ビル2階まで上がれるのか」
という点だ。広島電鉄は「動く路面電車博物館」とも称されるほど、さまざまな車両が揃っている。そのなかには、京都や大阪など全国各地の廃止された社局から移籍した車両や、原子爆弾の被害を受けた後に復旧した「被爆電車」も含まれる。これらの車両は製造から半世紀以上が経過しており、最新車両に比べて登坂能力が劣るものも存在する。そのため、駅前大橋線や広島駅ビルへの乗り入れができないと、各車両の行く末にも影響を与える可能性がある。
工事関係者によると、駅前大橋線の高架の勾配は40‰(4%)と、広電では最も急な勾配である35‰(3.5%)よりもかなりの急坂だという。しかし、
「駅前大橋線の勾配は既存の全ての電車が登ることができるような造りになっている」
とのこと。例えば、被爆電車(650形・1942年製)であっても、広島駅に入線することができるという。今後も広島駅に降り立った瞬間から、「動く路面電車博物館」を体感できるだろう。