広島駅「駅ビル2階」に路面電車が突っ込む!半世紀ぶりの大改造、広電「駅前大橋線」開通でどう変わる?
駅ビルに突き刺さる新路線「駅前大橋線」

広電の広島駅電停が2階に移設されるにあたり、駅ビル2階から南西方向にまっすぐ伸びる新路線が開通する。この路線が広電の「駅前大橋線」だ。
九州にある「モノレールが突き刺さっているJR小倉駅前(アミュプラザ小倉)」のような風景を想像するとわかりやすいかもしれない。
駅前大橋線は、広島駅電停から広島駅前通り・駅前大橋、稲荷町電停(本線に接続)を経て、比治山下電停(皆実線に接続)に至る約1.1kmの路線だ。稲荷町~比治山下間には新たに松川町電停が設けられる。
これまでの広電本線系統は、広島駅を出て一旦南東へと向かい、猿猴橋町電停を出て市中心部・宮島方面へと向かって直角に曲がり、西に進んでいた。
駅前大橋線が開通することで、広島駅を出た電車は猿猴橋町電停を経由せず、高架橋を渡って南西方向、つまり直接中心市街地方面へと進み、本線に合流する。これにより、駅から中心部までの所要時間が約4分短縮される。例えば、広島駅電停から広島バスセンター(そごう広島店3階)の前にある紙屋町西電停までは現在約15分(標準運行時)かかるが、これが約11分に短縮される。電停が駅ビル2階に移ることでJRとの乗り換え時間も短縮され、さらに時短効果が見込まれる。
広島駅電停周辺は道路の幅員が狭いことから(後述)、駅前大橋線の構想は以前から存在していた。そのため、2001(平成13)年の広島駅前大橋架け替え時にはすでに路面電車を通すための準備工事が行われていたそうだ。
広島駅2階を出た電車は、駅前大橋上に設けられた高架橋を下り、橋の南側で地上へと降り、駅前通りの路面上に設けられた併用軌道に出ることになる。この高架橋には軽量化のため一部に発泡スチロールが使用されている。なお、広島駅前大橋は
「広島県内で最も車線数が多い道路」
として知られていたが、駅前大橋線の建設にともない2車線が無くなり、車道は9車線、電車は2車線となる。