トランプ政権2期目、中国はどう動く? 外交研究者の私が日本企業に「脱中国依存」を勧め続けるワケ

キーワード :
,
トランプ政権が再発足し、対中国強硬路線が予想される中、日本企業は依然として脱中国依存を進めるべきか、再評価が求められる局面にある。地政学リスクとトランプ関税の影響を見極め、長期的視点での戦略が重要だ。

対中国強硬路線、政権の最重要課題

中国(画像:Pexels)
中国(画像:Pexels)

 トランプ政権が今月に発足する。トランプ氏は大統領選で七つの激戦州を全勝し、ハリス氏に大差で勝利した。また、同時に行われた連邦議会選挙でも共和党が上院と下院で多数派となり、政権運営が非常にやりやすい環境を得た。

 再選を意識する必要がない2期目となり、周囲には自らに忠誠的な人物を集め、1期目以上にトランプ色が強くなると予想されている。トランプ政権の外交・安全保障政策で最も重要な課題は

「対中国」

である。そのため、対中強硬派が主要な要職に起用されることとなった。外交を担当する国務長官には、対中強硬派のマルコ・ルビオ上院議員が起用される予定だ。

 ルビオ氏は新疆ウイグル自治区の人権問題に強い関心を持ち、台湾防衛を積極的に支援する立場を示している。安全保障担当の大統領補佐官にはマイク・ウォルツ下院議員が起用されるが、ウォルツ氏も中国海軍の軍備増強に対抗するため、米海軍の艦船や装備の増強を訴えている。

 さらに、通商・製造業担当の大統領上級顧問には対中強硬派のピーター・ナバロ氏が起用される。ナバロ氏はトランプ政権1期目で通商政策担当の大統領補佐官を務め、米国の経済と雇用を守るため、保護貿易主義路線を進めるうえで重要な役割を担った。

 このような人事配置から、来年1月に発足するトランプ政権は、中国に対して厳しい姿勢で臨むと考えられる。

全てのコメントを見る