トランプ政権2期目、中国はどう動く? 外交研究者の私が日本企業に「脱中国依存」を勧め続けるワケ
トランプ政権が再発足し、対中国強硬路線が予想される中、日本企業は依然として脱中国依存を進めるべきか、再評価が求められる局面にある。地政学リスクとトランプ関税の影響を見極め、長期的視点での戦略が重要だ。
中国、欧州・日本との関係強化

バイデン政権はこの4年間、中国による経済的圧力を問題視し、戦略物資や先端技術などを中心に、同盟国や友好国と共に対中対抗のネットワークを強化してきた。しかし、トランプ政権になると、その多国間協力は後退する可能性が高い。
これにより、中国にとっては、米国と日本や欧州の間に亀裂を生じさせるチャンスが生まれる。トランプ氏の保護主義は、中国だけでなく、日本や欧州も懸念している問題である。
また、中国は不動産バブルの崩壊、高い失業率、経済成長の鈍化など、多くの経済的課題を抱えており、トランプ関税の影響を避けたいと考えている。中国は欧州や日本、そしてグローバルサウス諸国との関係を維持し、強化することで、経済への影響を最小化しようとしている。
筆者(和田大樹、外交・安全保障研究者)は、中国はトランプ政権1期目よりもハードな対応を取る一方で、テクニカルな対応をより重視するだろうと考えている。国際情勢が大きく変化していることを背景に、専門家の間でも中国の対応が変化するとの見方が強まっている。筆者が企業にこのような中国の対応を説明すると、いくつかの企業から
「中国の対日姿勢が再びソフトになり、ここ数年顕著になっている日本企業の脱中国依存に歯止めが掛かるのか」
という声が上がっている。もちろん、日本企業の脱中国依存は地政学的背景だけでなく、さまざまな要因によるものだが、もし中国の対日姿勢が柔軟になれば、日本企業にとってはポジティブな材料になる可能性がある。