久留里線の利用者が激減した3つの理由! 輸送密度“9割減”も、地元からは「廃止阻止」の声 廃止問題に対する議論は十分だったのか

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JR東日本が久留里線の廃止を決定。1987年の823人から2023年には64人に減少した利用者数は、地域人口減少やモータリゼーションの影響が大きい。代替手段として提案されるバス転換には、乗務員不足や地元自治体の支援が必要なため、課題も多い。地域活性化を目指した観光資源活用も含め、今後の対応策が注目される。

利用減少の背景

久留里線の起点木更津駅の駅前。旧木更津そごうの建物はスパークルシティ木更津として営業を継続しているが、入居する木更津市役所仮庁舎の賃貸借期限は2025年3月までとなっている。東京湾アクアライン開業は木更津を含む久留里線沿線地域の衰退を加速させた。2024年12月1日撮影(画像:大塚良治)
久留里線の起点木更津駅の駅前。旧木更津そごうの建物はスパークルシティ木更津として営業を継続しているが、入居する木更津市役所仮庁舎の賃貸借期限は2025年3月までとなっている。東京湾アクアライン開業は木更津を含む久留里線沿線地域の衰退を加速させた。2024年12月1日撮影(画像:大塚良治)

 同区間の利用が極端に減少した理由は、

・モータリゼーションの進展
・高速バスの運行
・東京湾アクアラインの開業(1997年)

の三つだ。これにより、若い世代が都内や川崎・横浜に転出したことが影響した。君津市企画調整課交通政策室は、

「人口減少やモータリゼーションの進展が、久留里線の利用を減少させた。木更津東インター開業により東京湾アクアライン経由で都内に出やすくなったことも大きな要因である。大学進学を機に沿線を離れる若い層や、保護者による高校生の送り迎えが増えたことも影響したと考えている」

と説明している。

 上総亀山駅から東京駅へのルートをGoogle検索で調べたところ(金曜日午前7時30分に出発)、自動車の場合、通常1時間20分から2時間(72km)で到着するのに対し、鉄道を利用する場合(木更津駅で内房線に乗り換えるルート)は

「2時間31分」

かかると表示された(JR線の営業キロは106.5km)。自動車なら時間帯を選ばず、9時30分には東京駅に到着するが、鉄道の場合、上総亀山駅発は7時53分で、東京駅到着は10時24分となる。1本前の6時53分発でも、東京駅到着は9時31分だ。JR線は東京湾アクアラインよりも遠回りであり、所要時間において不利な状況が生じている。

 また、上総亀山駅に近い亀山温泉ホテルの鴇田(ときた)英将社長によれば、「当館来場者の8割はマイカー、1割が高速バス、残り1割が鉄道という構成となっており、仮に鉄道が廃止となっても業績への影響は限定的と考えている」とのことだ。

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