バス転換で注目 千葉「久留里線」を完膚なきまでに叩きのめした怪物の正体
協議対象は久留里~上総亀山間
3月8日、JR東日本が久留里線の一部区間について、バス転換などを視野に入れて自治体との協議を検討していることが明らかになった。
【無料セミナー】「自動車DXサミット vol.3」 三菱ふそう KTC マツダ登壇 Amazonギフトカードプレゼント〈PR〉
久留里線は千葉県木更津市の木更津駅から同県君津市の上総(かずさ)亀山駅までを結ぶ路線で、首都圏の赤字ローカル線としてかねてより廃止のうわさがあった。
今回協議の対象とされているのは、久留里駅(君津市)から上総亀山駅までの9.6kmだ。2022年のJR東日本による赤字路線の収支公表以来、年間収入わずか
「100万円」
というインパクトもあって注目を集めていた。ちなみに、同区間の営業費用は281倍(!)の2億8100万円である。
鉄道ファンの愛する盲腸線
久留里線はもともと、外房の大原(いすみ市)まで建設される予定だった。大原側からは木原線(いすみ鉄道いすみ線)が建設されたものの、ついに接続することはなく、盲腸線のまま現在まで存続してきた。ただ、大原まで接続されても需要があったとは到底思えない。なお、盲腸線とは、
・利用者が少ない
・路線長が短い
・起点と終点のどちらかが他の路線と接続していない
路線を指すことが多く、盲腸のように短く、重要ではないところから名付けられた。
かつて、路線バスで上総亀山駅から外房線の安房鴨川駅まで向かえたが、それも利用者減少によって廃止されている。
そもそも、房総半島を横断する路線需要は限られている。また、沿線から都心に向かう際でも、わざわざ久留里線に乗車する必要はない。
千葉中央バス(千葉市)と日東交通(木更津市)が運行している高速バス「カピーナ号」(千葉市~鴨川市)は、久留里線に並走する形で停留所がある。もはや、鉄道ファンが趣味で利用する以外の必要性は低いのが現状だ。