数十万トンもある「船」、なぜ海に浮かぶのか? 意外と知らない謎に迫る
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船は私たちの生活や経済活動に欠かせない輸送手段だ。何百トン、時には数十万トンもの巨大な貨物船が海に浮かんでいるのを見て、「どうしてこんなに重いものが沈まないで浮いていられるのか?」と不思議に思うことがあるだろう。
船とアルキメデスの原理

船は海を通って人や物を港から港へ運ぶ、私たちの生活や経済活動に欠かせない輸送手段だ。何百t、時には数十万tにもなる巨大な船が海に浮かんでいるのを見て、鉄や鋼で作られているのにどうして沈まないのか不思議に思う人も多いだろう。
その秘密は物理学の基本法則にあり、船が浮かぶ仕組みを理解するには、
・アルキメデスの原理
・船の構造に隠された工夫
を知ることが大切だ。
船が浮かぶ理由を説明する上で避けて通れないのが、アルキメデスの原理だ。この原理は古代ギリシャの数学者アルキメデスによって発見され、次のように定義されている。
「液体に浮かんでいる物体には、その物体が押しのけている液体の重量が及ぼす重力と同じ大きさの浮力が働く」
簡単にいうと、物体が水に入ると、その体積分だけ水を押しのける。その押しのけられた水の重さが物体に働く浮力となる。もしこの浮力が物体の重さと同じかそれ以上であれば、物体は浮く。しかし、浮力が物体の重さより小さいと、物体は沈んでしまう。
アルキメデスの原理は、浮力をF、液体の密度をρ(ロー)、液体中の物体の体積をV、重力加速度をgとして、
「F = ρVg」
という式で表すことができる。この力を利用して船は海に浮かんでいるのだ。