「電車に乗るのは非常識」 ベビーカーは車内で折りたたむべき? 遠慮不足が招く批判の声、専用マークの認知度「わずか52%」という現実

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2015年に制定された「ベビーカーマーク」だが、その認知度は依然として低い。国土交通省が進める認知拡大キャンペーンにも限界があり、52%がマークを知らないという実態が浮き彫りに。ベビーカー利用者の負担を減らし、周囲の理解を深めるためには、さらに広範な普及と思いやりの精神が不可欠だ。

進むバリアフリー化と課題

JR山手線の優先席エリア(画像:写真AC)
JR山手線の優先席エリア(画像:写真AC)

 2015年5月にJIS(日本産業規格)として制定された「ベビーカーマーク」は、ベビーカー利用者が安心して利用できる場所や設備を示すものだ。対象はエレベーターや鉄道・バス車両内の専用スペースなどで、このマークがある場所では、適切な使用方法を守ればベビーカーを折りたたまずに利用できる。

 しかし現状では、このマークの認知度は依然として低い。国土交通省は、ベビーカー利用者と周囲の理解を深めるため、継続的なキャンペーンを展開しているものの、認識の広がりには限界があるようだ。

「ベビーカーで電車に乗るのは非常識」
「車内では折りたたむべき」

といった根強い意見が世間に残る一方で、公共交通や施設ではバリアフリー化が進み、環境は改善されつつある。それでも、子育て世帯が肩身の狭い思いをするケースは少なくない。

 この状況の背景には、ベビーカーマークの認知不足があるのではないか。マークの存在が広く知られれば、ベビーカー利用者はより快適に公共の場を使えるようになるはずだ。

 では、認知度が向上することで具体的に何が変わるのか。一児の母である筆者(小島聖夏、フリーライター)が、その可能性を探る。

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