地域密着の理念崩壊? JRダイヤ改正で減便・減車・無人化、もはやホンネは「在来線に乗らないで」なのか?
JR東日本の花輪線では2019年に67%の利用者減少が見られる一方、同時期に人口減少率は17%にとどまる。民間鉄道や第三セクターが逆に利用者数を伸ばす一方で、JRはサービスの切り捨てを強化し、地域密着の理念は崩壊した。
公共交通は誰のためのものか

別の側面として交通政策の歪み、あるいは放置の背景がある。上図は北海道の交通ネットワークを示す。
黒はすでに廃止された旧国鉄とJRの鉄道路線、オレンジはJR北海道が直ちに廃止とは明言していないものの、自社では維持できないとリストアップした線区である(ピンク部分は、廃止決定だがバス転換の調整遅れで鉄道の運行が続いている部分)。さらに背景の太い緑線は、既存あるいは計画中の高規格自動車道である。
あたかも、廃止あるいはその可能性が高い鉄道路線をなぞるように、高規格自動車道が作られている。一方で、道路が整備されたからといって路線バスが便利になったわけでもない。路線バスもこの10~20年で急速に縮小している。高齢者の免許返納が奨励されたり、若い人でも経済的要因などで
「車ばなれ」
が全国的に起きたりしている。公共交通を企業の採算性のみで運営し、結果として人々の移動の選択肢が奪われている現状では、地域の衰退がますます加速する。
しばしば
「民間企業なのだから不採算路線の廃止はやむをえない」
という意見が見られる。それでは採算性が高い大都市圏のJRは利用者にとって優れたサービスだろうか。詰め込み輸送は経営の観点での「コストパフォーマンス」がよいだけで、利用者にとって何も歓迎すべき状態ではない。
サービス縮小はローカル線の問題と思っているうちに、矛先は大都市圏の利用者にも迫っている。最近では
・JR東日本の「みどりの窓口」廃止
・京葉線の快速廃止騒動
・2025年から首都圏の主要路線でもワンマン運転
が予定されている。公共交通は“誰のためのものか”改めて考えてみたい。