地域密着の理念崩壊? JRダイヤ改正で減便・減車・無人化、もはやホンネは「在来線に乗らないで」なのか?
JR東日本の花輪線では2019年に67%の利用者減少が見られる一方、同時期に人口減少率は17%にとどまる。民間鉄道や第三セクターが逆に利用者数を伸ばす一方で、JRはサービスの切り捨てを強化し、地域密着の理念は崩壊した。
10年ごとの人口減少と輸送密度
そこでJR東日本の188線区について、2000(平成12)年から10年おきに整理してみた。
人口関係は国勢調査より、また利用者数(正確には「輸送密度」。1kmあたり1日平均で通過する旅客数)は前述のJR公表数値を使用する。なお国勢調査は5年おき(西暦0、5の年)だが、利用者については2020年にコロナで大きな影響があるので、直前の2019年のデータを使用する。1年のずれがあるが傾向をみるには差し支えないであろう。上図に例を示す。
線区により性格が異なるが、パターンとして、
1.小都市・農村地帯の北上線:ほっとゆだ~横手間(左)
2.新幹線と接続する線区の奥羽本線:新庄~湯沢間(中)
3.東京駅から100km圏内の内房線:君津~館山間(右)
を例示した。
・赤:乗車人員
・青:沿線人口
・緑:高校生(相当年齢)人口、
・オレンジ:従業者数
で、それぞれ2000年を1としたときの10年おきの変化率である。いずれのパターンでも
・沿線人口
・高校生(相当年齢)人口
・従業者数
が減少していることは確かだが、その減少率以上に利用者が減っている。