いくつ知っている? 首都圏から消えた「モノレール」と知られざるその裏事情とは
国内のモノレールはわずか11路線のみ。しかし昭和後期~平成の首都圏には、他にもモノレール路線が存在した。今回は、そうした“消えたモノレール”について解説する。
国内運行はわずか11路線
モノレールには大別すると「跨座(こざ)式」と「懸垂式」の2タイプがある。大ざっぱに表現すると、レールにまたがるようなスタイルか、レールの下に垂れ下がっているようなスタイルかの違いだ。
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そして、開発メーカーなどの違いにより、跨座式、懸垂式のそれぞれにいくつかの方式が存在する。いずれにしても、旅行やレジャーに直結した場所を走っているケースが多いことから、日本においてモノレールの認知度は極めて高いだろう。
しかし、その数は意外なほどに少ない。2023年1月現在、国内で運行されているのはわずかに11路線で、北海道、東北地方、中部地方、四国地方にはひとつも存在しない。
かつてモノレールは、占有する敷地が狭くて済む特性などから将来的な普及が期待されていたが、現在、世界的にどこの都市にもあるものではない。普及しなかったのは、
「開発が進んだ段階での想定よりコストがかかる」
ことが主たる理由だとも考えられている。そんななか首都圏は多いほうで、次の5事業者6路線が走っている。
●千葉県
・千葉都市モノレール1号線(千葉都市モノレール)
・千葉都市モノレール2号線(同)
・ディズニーリゾートライン(舞浜リゾートライン)
●東京都
・東京モノレール羽田空港線(東京モノレール)
・多摩都市モノレール線(多摩都市モノレール)
●神奈川県
・湘南モノレール江の島線(湘南モノレール)
しかし、昭和後期~平成の首都圏には、他にもいくつかのモノレール路線が存在した。今回は、そうした“消えたモノレール”の概要を、消滅の背景とともに整理しておきたい。