中国人留学生を書類送検! 「電動スーツケース」は日本で普及するかのか? その規制と課題に迫る

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大阪府警は、留学中の中国籍女性が電動スーツケースを使って無免許運転をしていたとして摘発した。この電動スーツケースは、日本の道路交通法では公道での走行が禁止されており、特に空港や駅内での使用も規制されている。そのため、電動スーツケースの普及は難しく、高額な価格設定や便利さの欠如が影響している。海外メディアでも同様の危険性が報じられており、今後は「一過性のブーム」となる可能性が高い。

商業化製品の先駆け

モドバッグ公式サイト(画像:モドバッグ)
モドバッグ公式サイト(画像:モドバッグ)

 電動スーツケースを最初に発明したのは誰か――。

 実はこの問いに明確な答えを出すのは難しい。なぜなら、同じ時期に複数の発明者が電動スーツケースと呼べる乗り物を開発していたからだ。ただし、「世界で初めて商業的に展開された電動スーツケース」という点でいえば、

「モドバッグ」

が挙げられる。

「モドバッグ」の開発者であり旅行家でもあるケビン・オドネル氏は、空港で子どもがスーツケースにまたがって遊ぶ姿を見かけたことが、この発明のインスピレーションになったと語っている。

 2015年にクラウドファンディングサイト「キックスターター」に出展したものの、当初は十分な出資を集めることができなかった。しかし、翌2016年にクラウドファンディング「インディーゴーゴー」に挑戦し、78万ドル(約1.2億円)もの出資を獲得。2022年には後継機「モドバッグ 2.0」も発表している。

かつて日本でも話題

モドバッグ 2.0(画像:インディーゴーゴー)
モドバッグ 2.0(画像:インディーゴーゴー)

 空港ではどうしても長距離を歩かなければならない。オドネル氏によると、テキサス州のダラス・フォートワース空港では利用者が2マイル(約3.2km)以上の距離を歩くこともあるという。スーツケースを引きながらの長距離移動は体に大きな負担をかけてしまう。

 モドバッグは屋内モードで時速6.5km、屋外モードで時速11kmで走行でき、荷物を持ったまま快適に移動できる。また、

・米国運輸保安局
・連邦航空局
・国際航空運送協会

の規格に適合しているので、機内にも持ち込める。関連するYouTube動画には空港内を快適に走行している様子が映し出されている。2016年にインディーゴーゴーで資金を集めた当時、日本でも話題となり、

「楽しそう」
「乗ってみたい」

といった好意的な意見が多かった。

 しかし、現在では状況が一変している。パンデミックが終息し、日本に再び外国人観光客が戻ってくると、街中で電動スーツケースを乗り回す姿が問題視されるようになったからだ。

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