JR西日本「夢洲延伸」は実現可能か? 11月から検討会、30年IR開業に向けた鉄道戦略を考える
大阪府市は11月から、大阪湾にある人工島・夢洲と市中心部を結ぶ鉄道路線の検討会を始める。2025年度前半までに鉄道事業者と議論を重ね、具体的な方向性を示す方針だ。
JR西日本は事業費や利用者数に懸念

大阪府市が3ルートのなかで最も期待しているのが、
「桜島線の延伸」
だ。桜島駅から舞洲経由で夢洲に入る約6kmで、実現すれば大阪駅まで直通列車を走らせることができ、新快速に乗り継げば京都駅まで1回の乗り換えで済む。新大阪駅での新幹線利用も便利になる。
JR西日本はコロナ禍前に2030年ごろの夢洲アクセス検討を中期経営計画に打ち出すなど、前向きな姿勢を見せたこともあったが、コロナ禍後は慎重姿勢を崩していない。新しい中期経営計画では目標時期を外している。
懸念材料は事業費。2か所で海を渡るため、大阪府市の2014(平成26)年調査では工期11年、事業費1700億円と見積もられた。JR西日本からすれば、昨今の建設費高騰でどれだけの事業費が必要になるのか、公共予算がどれだけ投じられるかなどを確認しなければ、手を出しにくい。
夢洲に住民がいないことも悩ましい問題だ。万博閉幕後のまちづくりは基本構想が2017年に示された程度で、具体的な姿が浮上していない。現時点では通勤利用が限られ、IR関係の利用しか見込めないのが実情。JR西日本は
「延伸は大阪の社会インフラとして重要だが、鉄道事業者だけでできるものではない」
と述べた。
JR西日本の慎重姿勢を崩すには、今回の検討会で大阪府市がこれら懸念の解消につながる情報を示さなければならないだろう。大阪府市はJR西日本にどんなボールを投げるのだろうか。