JR西日本「夢洲延伸」は実現可能か? 11月から検討会、30年IR開業に向けた鉄道戦略を考える

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大阪府市は11月から、大阪湾にある人工島・夢洲と市中心部を結ぶ鉄道路線の検討会を始める。2025年度前半までに鉄道事業者と議論を重ね、具体的な方向性を示す方針だ。

京阪電鉄は九条延伸に「さらなる検討必要」

2015年1月に夢洲へ延伸する大阪メトロ中央線(画像:高田泰)
2015年1月に夢洲へ延伸する大阪メトロ中央線(画像:高田泰)

 3路線のうち、中之島線延伸は中之島駅から九条駅までの約2km。九条駅には大阪メトロ中央線と阪神電鉄なんば線が乗り入れている。中之島線が延伸すれば夢洲と京都市中心部が乗り換え1回で結ばれる。京都観光の訪日客を夢洲へ誘導しやすくなるほか、IR利用客の京都観光にも便利だ。

 京阪電鉄にもメリットが大きい。中之島駅と京阪本線の天満橋駅(中央区)を結ぶ3.0kmの中之島線は、沿線4駅の1日平均乗降人員が2022年度で計約2万2000人。

「都心部を走る路線と思えないほど」

利用が伸びていない。九条駅に乗り入れれば、収支改善が期待できる。

 中之島線は施設の建設・保有を大阪府市の第三セクター・中之島高速鉄道が担い、京阪電鉄が運行を務める上下分離方式を採る。九条延伸も同様に整備するとすれば、行政として費用便益比などの事前調査が必要。京阪電鉄は事業化に前向きだが、これまでIR事業者に解除権があることを理由に結論を先送りしてきた。

 京阪電鉄は

「検討会の対象になることはありがたいが、IRのより詳しい情報がほしいし、国など関係機関との調整も必要。すぐにゴーサインを出せるものではない」

とさらに検討を重ねる姿勢を示した。

 答申路線は中之島駅から西九条駅、USJ北側に位置する新桜島駅(此花区)、人工島の舞洲(同)を通って夢洲に至る約11km。中之島線の延伸ルートを想定し、1989(平成元)年の運輸政策審議会、2004年の近畿地方交通審議会で答申された。大阪府市の2014年調査で事業費3500億円と見積もられている。

 しかし、京阪電鉄は既に九条延伸へかじを切り、事業化の動きがない。再びこの構想にスポットライトが当たると考えにくいが、今回の検討会では中之島線の九条延伸や桜島線の夢洲延伸の輸送量や費用便益比などを比較する対象になると見られている。

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