沿線自治体が「JR西日本株」を続々購入! 京都・亀岡市は1億円分、なぜ彼らは“物言う株主”を目指すのか?
経営判断への影響は望み薄か

自治体が相次いで株式取得に動いた背景には、完全民営化したJR西日本が公共交通の役割より
「利益重視に軸足を動かした」
と感じていることがある。利用促進の話し合いでJR西日本が今後のあり方協議を迫る場面が増えてきた。設備投資がなく、年代物の古い施設が現役の路線もあちこちに残っている。
人口減少時代を迎え、利用促進を進めても簡単に乗客を増やせるわけでなく、将来はもっと厳しい。JR西日本からすると、国鉄改革の時代なら
「即廃止」
してもおかしくない状態まで路線を維持してきただけに、公共交通の役割を十分に果たしてきたという自負があり、これ以上投資しても見返りがないと判断しているはずだ。
「株主利益」
という言葉もしばしばJR西日本の口から出るようになった。JR西日本の発行済み株式は4月現在で約4億8800万株、時価総額約1兆3000億円に上る。株主への利益還元に敏感な外国法人などの株式保有比率は33.8%。経営陣に利益確保を求める圧力が強いことは想像できる。
人口約4万人の真庭市や約8万6000人の亀岡市が取得できる株式数には限界がある。株主総会の議決を左右するほどの株式を小規模自治体が単独で保有するのは困難で、赤字路線の存廃など大きな経営判断に影響を与えるのは難しいとみられる。真庭市くらし安全課も
「株主になり、すぐに状況が変わるとは考えていない」
という。大阪市や京都市が株主になっている関西電力では、両市が脱炭素や脱原発を求める株主提案をしてきたが、ことごとく否決されている。大阪市環境局は
「提案の趣旨と一致する対応を実現できた事例はあるが、定款の改定を必要とする株主提案を通すのは難しい」
と振り返る。だが、株式取得で自治体の本気度を世間にアピールし、JR西日本に圧力をかける効果はありそうだ。真庭市はJR西日本株を取得する仲間を増やし、小さな声をもっと大きくしたいと考えている。
真庭市や亀岡市に続く自治体は現れるのだろうか。