路線バスドライバー不足を「消防車」「ゴミ収集車」のドライバーで補うのは賢明か? 大阪・交野市のアイデアを再考する
2024年度から労働時間が短縮されることにともない、ドライバー不足が深刻化している。その中で、交野市は自家用有償旅客運送を活用し、職員による路線バスの運行を検討している。2030年には全国で3万6000人のドライバー不足が予測されており、地域交通を守るための新しいアプローチが必要とされている。また、地域住民も「交通手段の維持」を重要視し、意識改革が求められている。
他の可能性

弘前市の自衛隊員活用の事例があるように、自家用有償旅客運送を行える主体として、国は市町村のほかに
「一般社団法人または一般財団法人、認可地縁団体、農業協同組合、消費生活協同組合、医療法人、社会福祉法人、商工会議所、商工会、労働者協同組合、営利を目的としない法人格を有しない社団」
などを想定している。例えば、高山市の高根地区では、
「まちづくり協議会」
が市の資金を基に地域内でドライバーを確保し、地域の移動手段を有償で提供している。まちづくり協議会とは、自治会連合会のエリアを基盤に、市民が実際にまちづくりの活動を行う組織だ。運行はワゴン車を使用しており、存在意義が各地で高まっている。
この協議会が地域の
・退職者
・兼業希望者
を見つけ出し、地域バスの運行を確保する方向性が期待されている。また、医療法人や社会福祉法人の送迎車両とそのドライバーを活用する方法も考えられる。まちづくり協議会や医療法人、社会福祉法人は地域に密着しており、地域に精通した顔の見えるドライバーを確保することにも期待が寄せられている。