路線バスドライバー不足を「消防車」「ゴミ収集車」のドライバーで補うのは賢明か? 大阪・交野市のアイデアを再考する

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2024年度から労働時間が短縮されることにともない、ドライバー不足が深刻化している。その中で、交野市は自家用有償旅客運送を活用し、職員による路線バスの運行を検討している。2030年には全国で3万6000人のドライバー不足が予測されており、地域交通を守るための新しいアプローチが必要とされている。また、地域住民も「交通手段の維持」を重要視し、意識改革が求められている。

交野市のアイデア

交野市(画像:OpenStreetMap)
交野市(画像:OpenStreetMap)

 話を交野市に戻すと、同市では国の「自家用車有償旅客運送事業」を活用することを考えている。この自家用車による有償運送は、道路運送法第78条第2号に次のように定められている。

「第78条 自家用自動車は、次に掲げる場合を除き、有償で運送の用に供してはならない。二 市町村、特定非営利活動促進法第2条第2項に規定する特定非営利活動法人その他国土交通省令で定める者が、次条の規定により地域住民又は観光旅客その他の当該地域を来訪する者の運送その他の国土交通省令で定める旅客の運送 (以下「自家用有償旅客運送」という。)を行うとき」

つまり、この自家用車有償旅客輸送事業は交野市が取り組めるものであり、交野市長はこの仕組みを利用して市が主体となり、路線バスの維持を検討できるとしている。

 この仕組みの下では、ドライバーは大型2種運転免許を持つか、大型1種運転免許を保有し、さらに自家用有償旅客運送に必要な講習(交通空白地有償運送等運転者講習)を受けていればよい。

 つまり、原則として大型2種免許が必要な路線バスの運転も、大型1種免許を持つドライバーが条件付きで可能になるのだ。

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