率直に言う 陸上自衛隊の戦車は「全廃」すべきだ
時代遅れのネットワーク戦

翻って、10式戦車は無人砲塔の採用が不可能だ。他国の戦車と違って、車体に冗長性がないためだ。
「内地で運用するために40t」
という「設定」があるため、陸上幕僚監部は三菱重工が提案した片面の転輪を6個から5個に減らすことで、重量を軽減することにした。その結果、車内容積が減り、無人砲塔を採用した場合でも、車長や砲手を収容するスペースが不足するだろう。つまり、無人砲塔による軽量化はできないということだ。
RWSやAPS、増加装甲、ドローンなどを装備すると、この「設定」が崩れてしまう。ゴム製履帯を採用すれば約1tの軽量化が可能だが、他国のような近代化にはそれだけでは不十分だ。
普通戦車を更新する場合、歩兵戦闘車や装甲兵員輸送車、自走迫撃砲、自走対空機関砲、指揮通信車など、他の装甲車両も更新または近代化するものだが、陸自はそれをほとんど行っていない。これらの旧式車両は現代の戦闘に耐えられるレベルではなく、部品の不足もあって稼働率も非常に低い。しかし、陸自はこれらを更新せず、新しい国産戦車の調達だけに偏っている。機甲戦闘においては、他の兵科との連携が重要だが、陸自は戦車だけで戦うつもりのようだ。
10式戦車は10TKNWというネットワーク機能を搭載しているが、これは中隊規模の10式内で完結するシステムであり、他の装甲車両やドローン、攻撃ヘリ、上級部隊とのネットワーク化はされていない。さらに、他の旧式車両はそもそもネットワーク化されていない。
10TKNWは16式機動戦闘車にも搭載され、新たに調達が始まった8輪装甲車である共通戦術装輪車やAMVの指揮通信車にも搭載されるが、これは20年以上前の規格であり、既に時代遅れのシステムだ。
フランス陸軍は1990年代末からさまざまなネットワークシステムを導入しており、2014年にはSCIS(Scorpion Combat Information System)という後継のネットワークシステムを採用しているのに対し、陸自はこれから調達する装甲車両に20年以上前に開発された古いネットワークシステムを導入することになる。
2023年から調達が始まった新型装輪装甲車AMVは音声無線機しか搭載しておらず、いかに陸自がネットワーク化を理解していないことの証拠だ。