率直に言う 陸上自衛隊の戦車は「全廃」すべきだ

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陸上自衛隊の戦車全廃が主張される理由は、対戦車兵器の進化によって戦車の有効性が下がり、防衛予算が無駄に使われているからだ。今の脅威はミサイルやドローン攻撃に移っており、戦車の役割は薄れている。これまで国産技術の維持が重視されてきたが、戦車の運用や教育が非効率なことも問題だ。戦車を廃止し、リソースを再配分することで、現実的な防衛力を強化すべきだという意見がある。

戦車は無力?敵襲の現実

陸上自衛隊のウェブサイト(画像:陸上自衛隊)
陸上自衛隊のウェブサイト(画像:陸上自衛隊)

 そもそも、周辺の仮想敵国が日本本土に対して師団規模や連隊規模の戦機甲部隊を揚陸する能力はない。最盛期のソ連軍にもそのような能力はなかったし、当然日本に対する侵攻計画も存在していなかった。

 戦車を輸送船に搭載する際、非常に重いため、トラックのようにぎっしり詰め込むことはできず、かなりの船腹を占有する。また、戦車だけでは戦えないため、諸兵科の

・装甲車両
・支援車両
・人員
・食料
・弾薬
・医薬品

なども揚陸する必要がある。そのため、大規模な輸送船団が必要になる。

 輸送船の一部には強襲揚陸艦やその搭載艇のようにビーチング、つまり海岸に直接上陸できる輸送艦艇もあるが、ほとんどの輸送船は港湾を占領しないと利用できない。さらに、上陸のためには自衛隊や在日米軍の空海戦力を撃滅し、制海権や制空権を握る必要がある。しかし、周辺諸国にはそのような能力を持つ国は存在しない。これは政府の

「防衛三文書」

も認めていることだ。

 敵の機甲部隊が上陸するということは、日米の空海戦力が壊滅状態であり、当然本土の制空権も失われていることを意味する。敵は攻撃機を持っていないだけでなく、自由にドローンを使って陸自の機甲部隊を索敵・攻撃できる。その場合、機甲部隊は一方的に虐殺されることになる。

 仮に敵が上陸してくるとして、そもそもどのような環境で戦車を使うのか。上陸してきた敵の機甲部隊と戦車戦を行うのか、都市部に進行してきた敵の部隊と市街戦を戦うのか。そのような構想を陸自は示してこなかった。日本の場合、人口の7割が都市部に住んでおり、市街戦に備えることは必須だと思うが、陸自の戦車にはそのような備えがない。

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