率直に言う 陸上自衛隊の戦車は「全廃」すべきだ
無駄な三世代戦車

戦後の陸上自衛隊の戦車調達は、まるでファンタジーのような設定に基づいて進められてきた。目的は国防ではなく、
「国産戦車の調達」
であるとしか思えない。74式戦車は、戦時に国鉄(現JR)の貨車で輸送できることを前提に開発されたが、実際には戦時に国鉄を利用する法的根拠はなかった。
現行の10式戦車は、北海道以外の本土でも幅広く運用できるように採用された。10式は戦闘重量を44tに抑えることより、全国の主要国道にある橋梁1万7920か所の通過率は84%だ。これに対し、50tの90式戦車の通過率は65%で、62~65tの海外の主力戦車は約40%にとどまる。
逆にいえば、90式戦車は重すぎて北海道でしか運用できなかったことになる。しかし、陸上幕僚監部は90式を要求する際に
「この戦車は北海道でしか使えません」
とは説明しなかった。さらに、外国の重い戦車も北海道以外では使えないため、10式戦車は必要なかったといえる。
10式戦車は新規開発された3.5世代の戦車であるが、多くの国では第3世代の戦車を近代化する傾向がある。90式を近代化する方が、コスト的にはずっと安上がりだった。10式が採用されて以来、陸自では74式、90式、10式の三世代の戦車が混在しており、教育や兵站の効率が非常に悪い。また、砲弾も3種類必要になる。90式と10式は同じ120mm砲を搭載しているが、10式用の強力な徹甲弾は90式では使用できないため、富士学校の機甲科でも3種類の戦車に関する教育が必要となっている。
もし10式を開発せずに90式を近代化し、現代戦では戦えない74式を早期に退役させていれば、運用する戦車を1種類に絞ることができ、
・運用コスト
・訓練コスト
・整備要員の数
も劇的に減らせたはずだ。
さらに、旧式の74式や90式は10式同様のネットワーク化がされていないため、10式との共同作戦が困難である。こうした旧式化した戦車を「戦力」として維持することには、何ら合理性はない。まともな国では、3世代の戦車を同時に運用するようなことはしていない。