都心アクセスが良いベッドタウンなら山ほどあるのに、「流山市」が選ばれ続けている根本理由

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流山市の人口が急増しているのは、つくばエクスプレスの開通や利便性の向上、そして積極的な子育て支援施策のおかげだ。特に流入人口は流出人口を上回っており、2021年には待機児童ゼロを達成した。井崎市長のリーダーシップのもと、流山市は「母になるなら、流山市。」というキャッチコピーを掲げ、子育て環境を整え、魅力的な居住地としての地位を確立している。

保育施設数の拡充

保育所のイメージ(画像:写真AC)
保育所のイメージ(画像:写真AC)

 流山市が成功した理由は、明確なマーケティングターゲットを設定したことにある。そのターゲットは、子どものいる共働き世代だ。このターゲット設定には、単なる人口増加だけでなく、都市の持続可能性を考えた動きがあった。

 流山市が子育て世代、特に共働き世帯を重視したのは、少子高齢化社会における財政運営の健全性を維持するためだ。高齢者人口のみが増加すると、税収が減少し、社会保障費が増大するため、市の財政は非常に厳しい状況に陥る。一方で、子育て世代の流入は、将来の納税者を含む人口構成の均衡をもたらし、長期的な財政の安定につながる。

 子育て世代をターゲットとする戦略は、多くの自治体が採用している。しかし、流山市はこの共通の課題に対して独自のアプローチを取っている。その特徴は、単なる金銭的支援に頼らず、実質的なニーズに応える政策にある。具体的には、給付金や補助金の増額といった短期的な対策ではなく、子育て世代の日常生活に直接影響を与える環境整備に重点を置いている。その代表例が、保育園の整備と運営方法の革新だ。

 流山市は、駅周辺を東急田園都市線沿線風にオシャレにするだけでなく、施設整備に多くのリソースを割いている。次の数字を見てほしい。

●2000年
・保育所:総数17、収容定員1210人、児童数1076人

●2023年
・保育所・保育園:総数78、収容定員7738人、児童数7008人
・小規模保育施設:総数21、収容定員393人、児童総数295人
・こども園:総数3、収容定員456人、児童総数422人

保育施設の急速な拡充は注目すべきだ。しかし、人口増にともない待機児童の解消は非常に難しかった。それでも、流山市は2021年に待機児童ゼロを達成した。

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