都心アクセスが良いベッドタウンなら山ほどあるのに、「流山市」が選ばれ続けている根本理由
流山市の人口が急増しているのは、つくばエクスプレスの開通や利便性の向上、そして積極的な子育て支援施策のおかげだ。特に流入人口は流出人口を上回っており、2021年には待機児童ゼロを達成した。井崎市長のリーダーシップのもと、流山市は「母になるなら、流山市。」というキャッチコピーを掲げ、子育て環境を整え、魅力的な居住地としての地位を確立している。
独自雇用都市への進化
つくばエクスプレスが開業した2005年と、15年後の2020年の通勤者と通学者の流入と流出を比較すると、流山市の変化が明らかになる。
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●2005年
・流出:5万8895人(うち、東京都2万6984人)
・流入:1万6701人
●2020年
・流出:6万5440人(うち、東京都3万1736人)
・流入:2万3159人
これらの数字から、流山市の都市構造の劇的な変化が浮かび上がる。
まず、東京都への流出人口は2005年の2万6984人から2020年には3万1736人に増加し、約4700人増えている。これは、つくばエクスプレスの開業によって都心へのアクセスが大幅に改善されたことを示している。例えば、流山おおたかの森駅から秋葉原駅まで最短30分で到着できるようになり、この利便性の向上が流山市を居住地として選ぶ大きな理由になっている。
流入人口は2005年の1万6701人から2020年には2万3159人に増え、6458人の増加となる。これは約38.7%の増加率で、流出人口の増加率(約11.1%)を大きく上回る。具体的には、流入人口の増加率は流出人口の増加率の約3.5倍に達している。この顕著な差は、流山市が単なるベッドタウンから
「独自の雇用を生む都市」
へと進化していることを強く示している。
さらに注目すべきは、流入人口の増加(6458人)が流出人口の増加(6545人)とほぼ同じであることだ。これは、新たに流山市に転入した人々の約半数が市内で就業や就学の機会を得ていることを示唆している。このバランスの取れた成長が流山市の持続可能な発展を支える重要な要因となっている。