都心アクセスが良いベッドタウンなら山ほどあるのに、「流山市」が選ばれ続けている根本理由

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流山市の人口が急増しているのは、つくばエクスプレスの開通や利便性の向上、そして積極的な子育て支援施策のおかげだ。特に流入人口は流出人口を上回っており、2021年には待機児童ゼロを達成した。井崎市長のリーダーシップのもと、流山市は「母になるなら、流山市。」というキャッチコピーを掲げ、子育て環境を整え、魅力的な居住地としての地位を確立している。

送迎ステーションで利便性向上

南流山駅(画像:写真AC)
南流山駅(画像:写真AC)

 流山市は、単に保育所の数を増やすだけではなく、その利便性を高める独自の施策も展開してきた。代表的な取り組みが、流山おおたかの森駅前と南流山駅前に設置された送迎ステーションだ。この制度では、通勤途中の親が子どもを預けたり迎えたりできるようになっている。

 具体的には、朝、出勤前の親が送迎ステーションに子どもを連れて行き、そこから各保育施設に分散して送られる。夕方には、親が送迎ステーションで子どもを迎える流れになっている。このシステムにより、親は自宅や勤務地から遠い保育園でも安心して子どもを預けられるようになった。

 流山市の取り組みは、保育の「量」を確保するだけでなく、「質」と「利便性」を高めることで、共働き世帯の多様なニーズに応えようとしている。保育施設の拡充、待機児童の解消、そして独自の送迎システムの導入が相まって、流山市は子育て世代にとって魅力的な街となり、人口増加と都市の活性化につながっている。

 流山市の宣伝や住宅関連メディアの報道を見ると、オシャレさが際立つ印象を受ける。しかし、その本質は、ただ街をオシャレにして人口を増やしたという表面的なものではなく、巧みなブランディング戦略と、それを支える実質的な施策の融合にある。

「母になるなら、流山市。」というキャッチコピーが流山市の知名度とイメージを高めたのは確かだが、流山市はブランディングだけでなく、子育て世代が本当に求める実質的な部分にもしっかりと取り組んできた。つまり、流山市は

・魅力的に見せる
・実際に魅力的である

ことを両立させたのだ。

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