都心アクセスが良いベッドタウンなら山ほどあるのに、「流山市」が選ばれ続けている根本理由
流山市の人口が急増しているのは、つくばエクスプレスの開通や利便性の向上、そして積極的な子育て支援施策のおかげだ。特に流入人口は流出人口を上回っており、2021年には待機児童ゼロを達成した。井崎市長のリーダーシップのもと、流山市は「母になるなら、流山市。」というキャッチコピーを掲げ、子育て環境を整え、魅力的な居住地としての地位を確立している。
交通改善で人口4割増
2005(平成17)年に開業したつくばエクスプレスから約20年がたち、この路線の開業以降、千葉県流山市は最も大きな変化を遂げている。
2004年の人口は15万1684人だったが、2024年には約4割増の
「21万1795人」
にまで増加した。特に35~39歳代の人口が最も増加しており、少子高齢化が進むなかで若く活気のある地域となっている。
つくばエクスプレス開通前、流山市は都心から約25kmの距離にありながら、アクセスに課題があった。市内にはJR常磐線が通っていたものの、駅はなかった。そのため、都心への通勤には隣の柏市の常磐線南柏駅、または流山鉄道流山線を利用して松戸市の常磐線馬橋駅を使う必要があった。
2005年8月のつくばエクスプレス開通により、この交通難が一気に解消された。流山市中心部を走る新路線には、
・南流山駅
・流山セントラルパーク駅
・流山おおたかの森駅
の三つの駅が設置された。特に南流山駅はJR武蔵野線、流山おおたかの森駅は東武野田線と接続しており、多くの人々が集まるようになった。なかでも流山おおたかの森駅周辺は、流山市の新たな中心地として開発が進んでいる。この開発を基盤に、流山市全体の人口動態が大きく変わってきた。
今回は、その実態を、人口の流出入データから詳しく見ていこう。