率直に言う トラックドライバーの収入さえ上げれば「人材不足が解決する」なんて“甘ちゃん”の発想だ
理由2「必要なのは待遇の改善」

ふたつ目の理由は、20代・30代の若手トラックドライバーを増やすためには、収入アップだけでなく、
・待遇の改善
・キャリアプランの整備
が必要だからだ。この理由を説明するためには、まず現在のドライバーの年齢比を見てみる必要がある。2022年における道路貨物運送業の輸送・機械運転従事者数は86万人で、そのうち
・50代:29.9%
・60代以上:18.9%
を占めている。つまり、ほぼ半数が高齢者ということだ。
この高齢化問題は非常に深刻だ。現在60代のドライバーは約16万人強いるが、10年後にはほぼ全員が年齢を理由に職を辞めることになるだろう。もし今後10年の間にトラック輸送産業の生産性向上や省人化が進まなければ、現在とほぼ同数のドライバーを確保することはできず、業界は成り立たなくなる。そうなると、16万人もの新しいドライバーを雇用することは業界全体として不可能になってしまう。
以前、筆者は当媒体に「トラック運転手は中高年「第二の人生」にベストな職業か? 部長職からドライバーに転身「収入減ったが、楽になった」という現実、若手確保が無理なら逆転発想だ」(2024年7月5日配信)という記事を書いた。
この記事では、年齢を重ねるにつれて人事マネジメントを任されたり、責任が重くなったりすることを避けたい中高年が、ドライバーとして第二の人生を歩む事例を紹介している。しかし、こうしたキャリアパスを提供できる企業は限られており、このような特殊な対策だけでは、今後ますます人手不足が進むなかでのドライバーの補充には足りないと考えている。
確かに、本年度から始まるトラックのレベル4自動運転(新東名・駿河湾沼津SA~浜松SA間)や、中継輸送・共同輸送、荷役・荷待ちの2時間以内ルールなどの輸送効率化策は、ドライバーの減少に大きな効果をもたらす可能性がある。
しかし、それでもドライバーの人手不足を十分に解消できるかは不明だ。だからこそ、20代・30代の若手がドライバーという職業に魅力を感じられるような環境を作ることが必要なのだ。