北海道と本州の「この場所」に、なぜ橋を作らないのか?
津軽海峡の道路接続は地域経済にとって重要な「ミッシングリンク」だ。青森県の試算によれば、津軽海峡の道路接続が実現すれば年間1兆5000億円の経済波及効果が期待できるという。
貨物列車危機の現状

この状況は、北海道経済にとって深刻な問題を抱えている。北海道から道外へ出荷される多くの農作物は、JR貨物による輸送に頼っているが、新幹線の高速運行が優先されれば、貨物列車の運行本数が減り、物流の効率が落ちたり、コストが上がったりする恐れがある。こうした課題を解決するため、北海道の経済界は第2青函トンネルの建設を強く求めている。
ただし、この事業は最短でも15年ほどかかる見通しで、北海道新幹線の札幌延伸(2030年度末とする開業目標を断念)には間に合わないかもしれない。そのため、経済界は短期的には新幹線と貨物列車の共存策を模索しながら、長期的には第2青函トンネルの実現を目指すという2段階の戦略を取らざるを得ないのが現状だ。
しかし、第2青函トンネル構想の動きはまだ局地的なもので、福島町と青森県今別町で設立された期成会や、北海道商工会議所連合会の提言書が国土交通省に提出される程度にとどまっている。
特に問題なのは、青函トンネルの共用走行問題が
「北海道外ではほとんど注目されていない」
ことだ。そのため、第2青函トンネルの必要性も全国的に理解が進んでいるとはいえない状況にある。かつて津軽海峡大橋構想を積極的に進めていた青森県も、この計画にはあまり前向きではなく、現在の宮下宗一郎知事は
「現実的ではない」
と慎重な姿勢を示している。
このように、地域と全国の認識のギャップがプロジェクト実現への大きな障壁になっている。全国的な理解と支持を得るためには、この問題の重要性を北海道外にも広く訴えていく必要があるだろう。