航空機が今「サメ肌」に大注目しているワケ かつて競泳水着で時代を席巻、燃料効率改善の秘策とは?
- キーワード :
- 飛行機
ANAは新たにサメ肌構造のリブレット加工フィルム「AeroSHARK」を機体に導入した。この技術により、年間で約250tの燃料と約800tのCO2を削減することができる。航空業界では、こうした小さな改善が画期的とされている。また、リブレット技術は他の分野にも広がりを見せており、自然界から学ぶ可能性が高く評価されている。
日本航空は塗装で実現を目指す

サメ肌の構造は、1950年代には既に知られており、1980年代に研究がすすみ、1990年代にはテスト飛行されていた。
エアバス社も、自社のA320に3M社のリブレット加工フィルムを用いてテストを行い、満足のいく結果を得られていたという。しかし、当時の技術では施工性や耐久性に問題があり、実装には至らなかった経緯がある。
ANAがリブレット加工フィルムを実装したのは、フィルム加工技術が進化し理論に追いついた結果といっていい。その一方で日本航空は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、オーウエル、ニコンとともに、機体にサメ肌の塗装を施す方法で実証実験中だ。
塗装するといっても、機体に既存の塗料で塗装後、水性塗料で作った溝の型を圧着して転写し、水で水性塗料を洗い流してサメ肌を再現する方法である。ニコンの開発したリブレット加工機は、金属や樹脂など幅広い材料に対応できるうえ、複雑な形状にも最適なリブレットを加工できる点が優れている。
日本航空は、2022年7月からB737-800型機に60平方センチメートルのリブレット加工を施し飛行実証実験を重ねていた。2023年2月時点で施工後約1500時間、6月時点で約2300時間の飛行を終えて耐久性を確認したことから、2023年秋から胴体下部に合計25平方メートルのリブレット加工を施して実証実験を継続している。今後は、引き続き耐久性や美観性のほか、燃費改善効果を確認する。