航空機が今「サメ肌」に大注目しているワケ かつて競泳水着で時代を席巻、燃料効率改善の秘策とは?
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ANAは新たにサメ肌構造のリブレット加工フィルム「AeroSHARK」を機体に導入した。この技術により、年間で約250tの燃料と約800tのCO2を削減することができる。航空業界では、こうした小さな改善が画期的とされている。また、リブレット技術は他の分野にも広がりを見せており、自然界から学ぶ可能性が高く評価されている。
劇的に早くなったサメ肌の競泳水着

サメ肌と聞くと、ある程度年をとっている人であれば、競泳水着を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。
1998年のソウル五輪あたりから、より速く泳ぐために流水抵抗を測定した水着開発競争が熱を帯びてきたという。この頃は表面の凹凸をなくすことに力がそそがれ、ある程度は速度向上に寄与したが、水着表面で小さな渦が発生して摩擦抵抗を下げるのに限界があった。
そして、2000年のシドニー五輪で活躍したのが、サメ肌の構造を取り入れた全身を覆うタイプの水着だ。サメ肌の構造が小さな渦を打ち消して抵抗を下げることに成功し、12の世界新記録に絡むこととなる。余談であるが、それからというもの競泳水着の開発競争がさらに激しくなった。
2008年には強く締め付けることで体幹を保持して抵抗を低減するレーザー・レーサーが登場。金メダリストの9割以上が着用したといわれている。さらには、水着に浮力を持たせたラバー水着が登場し、2009年の世界水泳で43の世界記録を樹立したのは記憶に新しい。
競泳水着の世界で一時期であるがもてはやされたサメ肌は、水のなかであれ空気のなかであれ流体のなかで活動するにあたり、摩擦抵抗を低減するために優れた構造を有していることにはかわりない。ルフトハンザテクニック社とBASF社が、サメ(シャーク)をネーミングに織り込んだのも納得だろう。