日本の自動車メーカーは出遅れ? EV新時代を切り開く、20分で80%充電「800Vアーキテクチャー」とは何か?
次世代EVのポイントは「800Vアーキテクチャー」にある。これにより、充電時間の短縮や車両の軽量化といった多くのメリットが得られる。しかし、欧米や中国のメーカーが先行しているのに対し、日本メーカーの対応は遅れている。既に市場では、ポルシェのタイカンが20分で80%の急速充電を可能にしているが、日本国内の充電インフラの整備も遅れており、今後はその巻き返しが求められる。
取り残されつつある日本
次世代EVは確実に800Vアーキテクチャーに向けて進歩しているが、日本メーカーの動きは遅れている感が否めない。実は、800Vアーキテクチャーを採用したEVは既に2020年に市場に登場しており、最初に実用化したのはポルシェのタイカンだ。タイカンには、日本の日立グループが開発した800V対応インバーターが搭載されており、日本のサプライヤーも早くからこの技術に関わっている。
タイカンはスポーティーなセダンで、800Vアーキテクチャーの採用によってパワフルな走行性能を実現。さらに、充電時間の短縮というメリットも享受しており、80%までの充電がわずか20分で完了する。従来のEVでは80%までの充電に30分から1時間かかることが多く、この差は大きい。
ポルシェ以外にも、フォルクスワーゲンや中国の比亜迪(BYD)、米国のゼネラルモーターズなどが次々と800VアーキテクチャーのEVを投入している。一方で、日本のトヨタや日産、ホンダは、800V対応EVの具体的な計画を示しておらず、欧州や中国のメーカーに大きく後れをとっている。日産は2023年のプレスリリースで800Vシステムに触れているものの、投入時期は明確ではなく、2026年以降を目指している状況だ。
さらに、日本国内の充電インフラも800V対応は進んでおらず、ようやく150KWクラスの急速充電器が普及し始めた段階で、こちらも遅れている。
現在、世界のEV市場は一時的にハイブリッド車への回帰が見込まれているが、将来的にはEVの進歩が不可欠だ。今後、世界のEVは確実に800Vアーキテクチャーに移行していくため、日本のメーカーも早急にこの技術に対応した車やインフラの開発を加速する必要がある。