トヨタ「全方位戦略」は本当に最適解だったのか? ヒョンデ・ボルボも相次ぎEV戦略見直し、市場の逆風で考える
自動車メーカーが次々とEV戦略を見直している。現代自動車は2030年までに555万台の販売を目指している。一方、トヨタはEVの生産を約30%減少させる計画だ。ボルボは2030年までにEVの比率を9割に変更することを発表した。また、EV市場の回復は2030年頃になると予測されている。充電インフラの整備が求められるなか、各社は柔軟に戦略を見直すことが重要とされている。
EV戦略見直しの波
8月下旬から9月上旬にかけて、自動車メーカー各社がEV戦略の見直しを発表した。
最初に発表したのは現代自動車で、2024年8月28日に韓国・ソウル市のコンラッドホテルで「2024現代自動車CEOインベスターデイ」を開催し、最新のEV戦略を発表した。また、9月12日にはGMと車両の共同開発を含む協力の検討に入ったことも発表された。
一方、ボルボは2030年までに100%の電気自動車(EV)化という目標を取り下げ、ハイブリッド車(HV)の比率を高める戦略に転換することを発表した。トヨタ自動車も、EVの生産台数を約30%減少させるとの報道がある。
EV需要の減速を背景に、各社がEV戦略を見直す動きが進むなかで、トヨタが提唱する
「マルチパスウェイ(全方位)」
が注目を集めている。本稿では、相次いで発表された最新EV戦略のポイントを解説し、マルチパスウェイが最適解であるかどうかを考える。